寒冷地で育つおすすめ宿根草20選

目次

厳しい冬でも越冬実績のある植物たち

本州向けの園芸本を参考に植えたのに、春になると跡形もなく消えている。寒冷地では、決して珍しいことではありません。

宿根草を選ぶとき、寒冷地で重要になるのは、その美しさや育てやすさもさることながら、「この土地の冬を越えられるかどうか」です。

私が暮らす道東釧路・根室地域は、気候の目安として用いられるハーディネスゾーンでおおよそ5~6程度と考えられます。ハーディネスゾーンは、地域の「平均最低気温」を基準に、植物が地植えで越冬できるかどうかを示した指標です。数字が低いほど寒さが厳しいことを示します。

  • ゾーン5:およそ-28℃前後
  • ゾーン6:およそ-23℃前後

この地域は冬の寒さが厳しいだけではなく、

  • 雪が比較的少ない
  • 風が強い
  • 年によっては「雪のお布団」の恩恵を受けにくい

という特徴があります。単なる低温だけでなく、凍結・乾燥・寒風が重なる植物にとってはとても厳しい環境です。

この記事で紹介する宿根草は、我が家の庭での越冬実績に加え、寒冷地の花友さんの経験も参考に選んでいます。

なお、札幌周辺(ゾーン7前後)や東北北部など、より穏やかな寒冷地であれば、ここで紹介する植物の多くは耐寒性の面ではより安定して育つのではないでしょうか。

写真は我が家の庭で撮ったものか北海道の観光ガーデンで撮影してきたものです。

寒冷地で育つ宿根草20選|北海道でもよく育つ丈夫な宿根草

北海道の寒冷地でも越冬する宿根草を紹介します。

1. アジュガ 寒冷地でもよく増える日陰向きグランドカバー

アジュガ レプタンス「チョコレートチップ」

アジュガ レプタンス「バーガンディーグロー」

葉が美しい。

春の庭で地面近くに小さな紫の塔が並ぶように咲くのがアジュガです。背の高い花ではありませんが、群植するとこの紫の花穂が一斉に立ち上がり、花壇の低い位置に華やかさを作ってくれます。

アジュガの良いところは、とにかく丈夫でよく広がること。一株植えるとランナーを伸ばして少しずつ地面を覆うように広がって行くので、花壇の縁取りやグラウンドカバーとして雑草防止にもなります。一株が1~2年で驚くほど広がることもあり、多少踏みつけても全然平気です。我が家の庭でも植えた場所から毎年少しずつ面積を広げていて、「ああ、ここにも来たか」と思いながら眺めています。

葉の色も品種によってさまざまで、濃い緑のものからブロンズ色、ピンク、斑入りのものまであります。花が終わった後も葉の色が庭のアクセントになるので、地面近くの景色を豊かにしてくれる植物です。

寒冷地でも比較的安定して越冬する印象で、我が家では特に手をかけなくても毎年普通に冬を越しています。春の雪解けの時に葉がボロボロになっていてもすぐに復活するので心配いりません。ただ、雪が少ない場所や凍上が起きやすい場所では株が少し浮き上がることもあるので、排水のよい場所に植えておくと安心です。

数株を隙間に植えてアクセントとして使ったり、群植させてアジュガの広場みたいな感じにするのも迫力あります。派手さはありませんが、頼れる宿根草だと思います。

2. ゲラニウム 長く咲き紅葉も楽しめる美しい宿根草

ゲラニウム・オリオン

ゲラニウム・ファエウム(中央)ゲウム・トータリー・タンジェリン(左)

ゲラニウム・オリオン

ゲラニウム・エンドレッシー

ゲラニウム・ジョンソンズブルー

ゲラニウム・ナターシャ

ゲラニウム・ライラックアイス

ゲラニウム・オリオン

秋に紅葉した

庭でゲラニウムを育てていると、この植物がいかに庭向きの宿根草かを実感します。春から初夏にかけて次々と花を上げ、しかも派手すぎない色合いで、周囲の植物と自然に溶け込みます。

花は青や紫、ピンクなどさまざまですが、どれも少しやわらかく、庭の風景の中に馴染む色です。普段は庭の雰囲気を整える名脇役のような存在ですが、株いっぱいに花を咲かせる時期になると、群れて咲く姿がとても美しく、庭の一角でしっかりと主役を張ることもあります。

ゲラニウムの魅力は花だけではありません。株は自然に広がり、宿根草の間を埋めるように育ちます。細い花茎の先に花がふわりと浮かぶように咲く姿はとても軽やかで、風が吹くと揺れます。咲き終わったあとに残る星形のがくもどこか可愛らしく、花の終わりまで楽しませてくれる植物です。

品種によって姿は随分違います。ジョンソンズブルーやオリオンのように大きく広がるものもあれば、姫フウロのように低く可憐に咲くものもあります。濃い紫の花をつけるファエウムの仲間は落ち着いた雰囲気もあります。系統によって同じゲラニウムでもかなり個性が違います。

寒冷地の庭でもゲラニウムはとても頼もしい植物です。冬を越して春になるとまた元気に芽を出し、特別な手入れをしなくても毎年きちんと花を咲かせてくれます。晩秋になると葉が赤やオレンジに色づき、ささやかながら紅葉も楽しませてくれます。週末ガーデナーの自分にとって、こうした気負わずに付き合える植物が段々と好きになってきています。ゲラニウムはまさにそんな宿根草の代表格だと思います。

3. エキナセア 夏の庭を彩る丈夫で花期の長い宿根草

エキナセア・プルプレア「ピンクパール」

エキナセア・プルプレア「アルバ」(左)エキナセア・イエローパッション(右)

スプーン咲きのエキナセア

エキナセアは宿根草の中でも特に品種のバリエーションが豊富な植物です。ピンクや白といったクラシックな色合いのものから、オレンジ、黄色、グリーンが混ざるもの、花びらが細いものや八重咲きのものまで、本当に驚くほど多くの品種が作られています。園芸店で見かけるたびに「こんな色もあるのか」と思わず手に取ってしまい、気がつけば少しずつ数が増えていきます。そんなコレクション性の高さもエキナセアの魅力です。

ただし、エキナセア好きの人なら感じていると思いますが、ほかの宿根草に比べると値段が少し高めのものも多い印象です。それでもつい買ってしまうのが不思議なところで、「また増やしてしまった」と思いながら庭に植えてしまうのもエキナセア好きの「あるある」かもしれません。

エキナセアが庭でありがたい存在だと感じるのは、ちょうど初夏の花がひと段落し、夏の庭の花がやや少なくなる頃に最盛期を迎えるところです。バラの一番花が終わり、春の宿根草が落ち着いた頃にエキナセアが次々と咲き始めて庭を明るくしてくれます。花期も比較的長く、夏の庭の主役として頼りになる存在です。

基本的には寒冷地でも抜群の越冬成績ですが、原種に近いタイプのエキナセアは比較的丈夫ですが、新しめの園芸品種の中には寒さや冬の条件によって消えてしまうものもあり、すべてが同じように残るわけではありません。

栽培面で少し気になる点を挙げると、春の芽出しが比較的遅いことです。ほかの宿根草が次々と芽を出してくる頃になっても、エキナセアの場所だけがしばらく静かなままなので、もしかして消えてしまったのでは…と、毎年少し不安になります。ですが、暖かくなってくるとある日ふっと小さな芽が出てくることが多く、そのたびにほっとさせられます。

さまざまな色や形の花を庭で見ていると、つい新しい品種を試してみたくなるのがエキナセアの魅力です。

4. プルモナリア 早春に咲き日陰でも育つ宿根草

プルモナリア・トレビフォンテン

プルモナリア・E.B.アンダーソン

プルモナリアは雪解けのあと間もない早春の庭で花を咲かせてくれる宿根草です。まだ庭の植物が本格的に動き出す前の時期に、青や紫の小さな花を次々と咲かせてくれるため、春の訪れをいち早く感じさせてくれる貴重な存在です。つぼみの頃はピンクや水色で、咲き進むにつれて青や紫へと色が変わることも多く、一株の中でいくつもの色が混ざる様子も魅力です。

花の後もプルモナリアの楽しみは続きます。プルモナリアの葉には白い斑が入り(品種による)、やや厚みのある落ち着いた質感をしています。ダイアナクレアという品種のように銀色を帯びたものもあります。日陰になりがちな場所でも光を柔らかく反射し、庭の中に明るさを生み出してくれます。花が終わってからも長い期間、葉を楽しめるため、日陰の景色を支える存在として頼もしい植物です。品種によっては大株になると直径50〜60センチほどになることもあります。

寒さにも強く、越冬成績は良好です。我が家でも安定して戻ってきてくれることが多く、日陰でも比較的よく育つため樹木の下や建物の影など、植物が育ちにくい場所にも取り入れやすい宿根草だと思います。

5. ホスタ(ギボウシ) 日陰の庭を美しくする定番宿根草

大雪森のガーデンにて

大雪森のガーデンにて

北海道小清水町「リリーパーク」にて。ホスタの花

ギボウシ(ホスタ)は日陰の庭を代表する宿根草の一つです。春になると地面から丸まった芽が顔を出し、ゆっくりと葉を広げながら株を大きくしていきます。大きな葉が重なり合うように広がる姿はとても美しく、庭の中に落ち着いた雰囲気を作ってくれる植物です。

ホスタの魅力はなんと言っても葉の美しさにあります。葉の大きさや形、色のバリエーションがとても豊富で、濃い緑のものから、青みがかったもの、クリーム色や黄色の斑が入るものまで実にさまざまです。葉そのものが庭の主役になる植物で、花の少ない場所でもしっかりと景色を作ってくれます。

日陰でもよく育つため、樹木の下や建物の影など、ほかの植物では難しい場所にも植えやすいのも魅力です。夏にはすっと伸びた花茎の先に涼しげな花を咲かせ、葉とはまた違った表情を見せてくれます。

我が家の庭では植栽できるスペースがそれほど広くないため、小型から中型の品種を中心に植えています。ホスタは条件が合うとかなり大きく育つ植物ですが、小型〜中型品種を選ぶことで他の宿根草と競合せず、庭の中でもバランスよく収まってくれています。寒冷地や涼しい地域では巨大な株に育てるのもひとつの醍醐味と言われますが、限られたスペースの中で他の植物と組み合わせながら楽しむのも、またひとつのホスタの楽しみ方だと思います。

園芸品種も非常に多く、葉の色や大きさ、株の姿がそれぞれ異なるため、気がつくと少しずつコレクションが増えていく植物でもあります。庭に一株あるだけでも存在感がありますが、いくつかの品種を並べて植えると、それぞれの個性の違いがよりよく分かり、庭づくりの楽しさを感じさせてくれる植物だと思います。

6. アスチルベ 半日陰でもよく育つふんわり花の宿根草

銀河庭園

銀河庭園のアスチルベとアストランティア

アスチルベは以前から名前はよく知っていたものの、正直なところ長い間それほど強く惹かれる植物ではありませんでした。庭づくりを始めた頃は、他に植えたい宿根草がたくさんあって、アスチルベはどこか「後回し」になっていたように思います。

そんな印象が少し変わったのは、数年前に恵庭市の銀河庭園を訪れた時でした。庭の中で群れて咲くアスチルベを見て、その存在感に驚かされたのをよく覚えています。細かな花がふわっと立ち上がるように咲く姿はとても印象的で「こんなきれいな植物だったのか」と見方が変わりました。一つの植物としても魅力的だし、庭の景色や雰囲気を作る力のある植物だと思いました。今は銀河庭園は閉園してしまいましたが、あの庭で見た景色がきっかけになって、我が家の庭にも少しずつ植えるようになりました。

アスチルベの魅力は花の時期だけではありません。春に芽を出し、葉を広げて行く頃の姿がとても爽やかで、庭の中でもひときわ清々しい印象があります。細かく切れ込む葉はやわらかな質感で、まだ花がなくてもそれだけで庭の景色を整えてくれるように感じます。

そして初夏になると、ふんわりとした穂状の花を立ち上げます。小さな花が集まってできるこの花姿はとても可愛らしく、ほかの宿根草にはあまり見られない独特の雰囲気があります。遠くから見るとやわらかな色の霞のようにも見え、庭の中に軽やかな立体感を作ってくれる植物だと思います。

品種によって花の色は白やピンク、赤などさまざまで、葉の色もやや銅葉になるものなどがあり、そうした違いを楽しめるのも魅力の一つです。

寒冷地でも越冬成績が良く、基本的にあまり手がかからないのもありがたいところです。特別な世話をしなくてもきちんと芽を出してくれるので、庭の中で安心できる宿根草だと感じています。

まだ我が家では植え初めてそれほど年数は経っていませんが、あの銀河庭園で見た景色を思い出しながら、少しずつ品種を増やして行きたいと思っている宿根草のひとつです。

7. オダマキ こぼれ種でも増える可憐な春の宿根草

オダマキは春から初夏にかけて花を咲かせ、庭をにぎやかにしてくれる宿根草です。花びらの後ろに距(きょ)と呼ばれる突起が伸びる独特の花の形が特徴で、少し不思議な形をしていますが、庭の中ではどこか自然な雰囲気をつくってくれる植物です。風に揺れるように咲く姿は軽やかで、宿根草の庭によく似合う花だと思います。

オダマキにはさまざまな種類があり、華やかでカラフルな花を咲かせる西洋オダマキのほか、日本の山野草として知られるミヤマオダマキのような比較的小型でかわいらしいものもあります。また花の形が風鈴のように下向きに咲くタイプや、深い色合いが印象的なチョコレートソルジャーなど、品種によって姿や雰囲気はかなり違います。

草丈も品種によってさまざまで、低くコンパクトに咲くものから、すっと背を伸ばして花をあげるものまであり、植える場所によって使い分けることができます。八重咲きの品種も多く、花びらが重なる姿はまた違った魅力があります。

育てていて面白いのは、種がとてもよくできるので、花が終わると簡単に種を採取することができます。それを適当に庭にまいておくだけでも増えていきます。株分けも比較的簡単ですが、種から育てても翌年か、遅くてもその次の年には花を見ることができるので、気軽に増やしていける植物です。

さらに楽しいのは、こぼれ種から出てくる株の花色です。オダマキは他の株と交雑しやすいので、どの株の花粉と受粉したかによって、親とは少し違う色や形の花が咲くことがあります。庭の中で思いがけない色の花が現れることもあり、それもこの植物を育てる楽しみのひとつだと思います。

寒さにも比較的強く、寒冷地でも越冬成績は良好です。ただし株自体の寿命はそれほど長いわけではなく、数年で弱ってくることもあります。それでもこぼれ種で新しい株が自然に育っていくことが多いので、庭の中では世代を交代しながら長く咲き続けてくれる植物です。

8. サルビア・ネモローサ(ネモローサ系サルビア) 初夏の庭に青い穂を立ち上げる宿根草

サルビア・ネモローサ・カラドンナ

サルビア・スカイダンス

サルビア・スワンレイク

銀河庭園

サルビア・ネモローサは初夏の庭でまっすぐ花穂を立ち上げる宿根草です。細い茎の先に穂状の花をたくさんつけ群れて咲く姿はとても印象的で、宿根草の庭の中では縦のラインをつくる役割を果たしてくれます。花色は青紫から紫のものが多く、周りの植物ともよく馴染むため、バラやゲラニウムなどと組み合わせても自然な雰囲気になります。花期も比較的長く、花が終わった後に切り戻すと再び咲いてくれます。寒冷地の1シーズンで3回咲くこともありました。

ネモローサには多くの園芸品種があります。よく知られているカラドンナは黒みがかった茎と引き締まった花穂が特徴で、全体にシャープな印象の品種です。ネモローサと呼ばれているものの中には「ネモローサ」そのものだけでなく、近縁種との交配種も多く含まれており、品種によって花の大きさや花穂の雰囲気、葉の形などが少しずつ違っています。写真にあるスカイダンスや白花のスワンレイクは柔らかな雰囲気があります。

サルビアと聞くと、学校や公園の花壇でよく見かける赤い花のサルビアを思い浮かべますが、この品種はスプレンデンスと呼ばれる種類で1年草です。耐寒性のあるネモローサとは見た目だけではなく性質も大きく違います。同じサルビア属でも原産地や生育環境によって随分と違う植物になるのが面白いところであり、複雑に感じるところもあります。

我が家では以前「宿根サルビア」と札に書かれてあった「バイオリンミュージック」という品種を植えたことがありますが、残念ながら越冬することは出来ませんでした。後から少し調べてみると、この品種はチェリーセージ系で凍結に弱い品種だったようです。同じサルビアでも種類によって性質がかなり違うことを実感した出来事でした。

9. デルフィニウム 寒冷地の庭で主役になる大型宿根草

デルフィニウムは初夏の庭で一際目を引く宿根草です。長く伸びた花穂にたくさんの花を咲かせる姿はとてもボリュームがあり、庭に植えると自然と主役になるような存在感があります。青や紫、白などの澄んだ花色も美しく、庭の景色の中でよく映える植物だと思います。

品種も豊富で、花色や花の形、株の高さなどにさまざまなタイプがあります。青や紫の濃淡の違いだけでもかなりの幅があり、いくつかの品種を並べて植えると、それぞれの個性の違いもよく分かります。最近ではハイランダーシリーズなど、八重咲きのグラデーションがとても美しい園芸品種も出てきました。

デルフィニウムは冷涼な気候を好む植物で、暖かい地域では夏の暑さで株が弱り、うまく夏越しできないこともあるようです。その点、寒冷地の庭ではこの植物が本来の力を発揮しやすく、まさに気候に合った宿根草の一つだと感じています。条件が合うと花穂はぐんぐん伸び、年や環境によっては大人の背丈を軽々と越えるほどの高さになることもあり、その姿には思わず見上げてしまうような迫力があります。

本当は全体像の写真もたくさん載せたいところですが、デルフィニウムは大きく育つため、全体を写そうとすると家の周りやご近所の様子まで写り込んでしまいます。そのためこのページではどうしても寄り気味の写真が多くなっていますが、実際の庭ではもっと背の高い花穂が立ち並び、かなりの存在感を放っています。

一つ難点を挙げるとすれば、花穂が大きくなる分、風や雨に弱いことです。大風や強い雨が降ると、せっかく伸びた花茎が折れてしまうことがあり、一晩の嵐で庭の景色が大きく変わってしまうこともあります。支柱を立てたり、周りを針金で囲ったり、紐でまとめたりといった対策をしても、それでも完全に防ぐのはなかなか難しいところです。

ただ、折れてしまった花も無駄にせず、切り花にするととても華やかです。家の中に飾るとまた違った魅力を見せてくれるのも、デルフィニウムの良いところかなと思っています。

10. アルケミラ・モリス 柔らかな葉と黄緑の花が美しい宿根草

銀河庭園

銀河庭園

銀河庭園

アルケミラ・モリスは庭の中で優しい雰囲気をつくってくれる宿根草です。丸みのある葉と初夏にふわっと広がる黄緑色の花が特徴で、庭の景色に自然に溶け込み、全体の雰囲気を整えてくれる植物だと思います。花は小さな星のような花が集まって、ふわっと霞のように広がります。黄色とも黄緑色とも言えるような独特の色合いで、他の花の色を引き立てながら庭に軽やかな景色をつくります。派手に主張する植物ではありませんが、ほかの主役を引き立てるとても使い勝手の良い宿根草の一つです。

葉の形もこの植物の魅力の一つです。丸く浅く切れ込んだ葉はやわらかな質感があり、朝露や雨の後には水滴をころころと弾く様子もきれいです。光を受けた水滴が葉の上に丸く集まる姿は、アルケミラならでの光景で、庭を眺めるたびに目を留めてしまいます。

アルケミラ・モリスは丈夫で育てやすく、寒冷地でも越冬成績は良好です。特別な手入れをしなくても毎年きちんと芽を出し、株も少しずつ大きくなっていきます。目立つ主役というよりは、庭全体の雰囲気を整えてくれる名脇役のような存在ですが、こういう植物があることで庭の景色が豊かになるのだと思います。

11. 宿根アスター 秋の庭を彩る丈夫な宿根草

宿根アスターは秋の庭で長く花を咲かせてくれる宿根草です。秋になり他の宿根草が一段落し、庭の花が少なくなってくる本格的な秋の頃に花を上げてくれるので、季節の終わりの庭を支えてくれるありがたい存在です。しかも細かな花が株いっぱいに覆い尽くすほど見事に咲く姿はとても華やかで、少し寂しくなりがちな秋の庭を一気に明るくしてくれます。

小さなキクの花が数えきれない程にふんわりと咲くので、遠くからみると花のかたまりのように見えボリュームがあります。秋の低めの光の中で咲くアスターの花は、どこか柔らかな優しい雰囲気もあります。

宿根アスターはとても丈夫で寒冷地でも越冬はほぼ問題ありません。特別な手入れも必要とせず、とても頼もしい植物です。ただし元気な分、株が大きくなってくると暴れるように広がることもあり、場所によっては少しコントロールが必要になるかもしれません。花の時期には支柱を立てたり、紐で軽くまとめたりしておくと株姿が整いやすくなります。

株の大きさを整えたい場合には、初夏ごろに一度切り戻すのも一つの方法です。茎を半分くらいの高さまで切り戻したり、根本から茎を抜いて株を少し整理すると株が広がり過ぎず、花の頃の姿もまとまりやすくなります。

12. カンパニュラ 初夏に咲く爽やかなベル形の宿根草

カンパニュラは「ベルフラワー」とも呼ばれ、名前の通り鐘のような形の花を咲かせる宿根草です。多くの種類があり、とてもバリエーションが豊富で、同じカンパニュラでも姿は随分違います。背丈が高く茎に沿ってベル形の花を並べて咲かせるタイプもあれば、低くこんもりとした株になって上向きの花をたくさん咲かせるもの、狭いところを這うように広がるタイプもあります。我が家の庭でもいくつかのタイプを育てていますが、同じ属の植物とは思えないほど性格が違っていて、それぞれ違った魅力があります。

花色は青紫系が多く、涼しげで優しい雰囲気があり、春から初夏にかけて庭を爽やかな印象にしてくれます。八重咲きの品種もあり、同じカンパニュラでも少し驚くようなユニークな花の姿に出会うこともあります。

寒冷地では比較的育てやすいものが多いと思います。種類によって多少性質は違いますが越冬成績も良好で、環境がよければ株が広がり、株分で増やすことも簡単です。草丈や花のつき方、株の広がり方などはさまざまで、庭のスタイルや好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。

13. クリスマスローズ(ヘレボルス) 北国の春を告げる宿根草

クリスマスローズは北国の春を象徴する花の一つだと思います。雪解けが進み、庭の宿根草がまだ目覚めきらない頃に、うつむくような花を静かに咲かせてくれます。まだ色の少ない早春の庭の中で、あの落ち着いた色合いの花を見ると、長い冬が終わり春が始まるのだという実感が湧いてきます。

花色は白やピンク、紫、グリーン系など非常に多彩で、シングル咲きからセミダブル、ダブルまでさまざまなタイプがあります。品種の多さからコレクターも多く、育種の世界もとても奥深い植物です。価格もさまざまで、園芸店で比較的気軽に手に取れるものから、思わずためらってしまうほど高価な品種まであります。派手に主張する花ではありませんが、庭の中で落ち着いた存在感を持ち、春の花壇の雰囲気をぐっと引き締めてくれる植物だと思います。

花が終わった後もクリスマスローズの葉は厚みがあり、固くしっかりとした質感で、表面には独特のツヤがあります。こうした葉が花壇の中にあると周囲の柔らかな宿根草の葉との対比が生まれ、庭の中で良いアクセントになります。季節を通して株姿が整っているため管理もしやすいです。

品種によっては斑入りの葉を持つものもあり、花だけでなく葉の表情も楽しめるのが面白いところです。花が終わった後も庭の中でしっかりと役割を持ち続けてくれるので、宿根草花壇の中ではとても使い勝手のよい植物だと感じています。

14. アストランティア 繊細で品のある花を咲かせる宿根草

アストランティアは初夏の庭をやさしい雰囲気で彩ってくれる宿根草です。星のように広がる独特の花姿が特徴で、近くで見るととても繊細で可愛らしく、少し離れて見ると細かな花がふんわりと浮かんでいるような軽やかな印象があります。派手な花ではありませんが、宿根草の花壇の中では不思議と目を引く存在です。どこか品のある、とても美しい花だと思います。

花の色は白や淡いピンク、赤みを帯びたものまであり、品種によって表情が随分違います。花びらのように見える部分は総苞と呼ばれる部分で、その中心に小さな花が集まって咲くという独特な構造をしています。この細やかな形が他の宿根草にはあまりなり繊細な魅力になっているように感じます。

草丈はおおよそ30〜50センチほどで、花壇の中では前方から中景をつくるのにちょうど良い高さです。細い茎の先に花が浮かぶように咲くため、周囲の植物とよく調和し、花壇の中に自然な軽やかさを生み出してくれます。主役として強く主張するタイプではありませんが、周りの植物を引き立てながら庭の雰囲気を整えてくれます。

寒さにも強く、寒冷地でも越冬成績は良好です。環境が合えば毎年安定して芽を出します。派手さとは違う、落ち着いた繊細な美しさを楽しめる宿根草で、この花にしか出せない魅力が間違いなくあると思います。

15.宿根フロックス 夏の庭を華やかに彩る定番宿根草

フロックス・パニキュラータ

コレオプシスの背景の斑入りの葉がフロックス

フロックスのつぼみ

フロックス・ディバリカータ

宿根フロックスは夏の庭を華やかにしてくれる宿根草です。花穂の先にたくさんの花を咲かせ、株いっぱいに色が広がる姿はとても見応えがあります。庭の中でもよく目立つ存在で、夏の花壇の中では主役になることも多い植物だと思います。

花色は非常に豊富で、白やピンク、紫、赤などさまざまな色があります。同じ宿根フロックスでも品種によって花の色合いや模様が随分に違い、庭にいくつか植えて見ると個性の違いがよく分かります。中心に目のような色が入るタイプもあり、そうした表情の違いを見るのも楽しいです。

花だけでなく株姿にも品種ごとの違いがあります。高さがしっかり出るものもあれば、ややコンパクトにまとまるものもあり、茎の立ち方や葉の形もそれぞれ少しずつ違います。中には葉に斑が入る品種もあり、花の時期だけでなく葉の姿でも楽しめます。

株は比較的丈夫で、寒冷地でも越冬成績は良好です。夏にしっかりと花を咲かせ、庭の景色を豊かにしてくれる宿根草のひとつです。草丈もほどよく、他の宿根草とも合わせやすいので、宿根草の花壇の中でも使いやすい植物だと思います。

宿根フロックスについて書いてきましたが、実はフロックスの仲間は大きくいくつかのタイプに分けられます。同じ「フロックス」という名前でも、草姿や咲く時期がかなり違うため、最初は少し混乱しました。

一般的に「宿根フロックス」と呼ばれるのは、夏に花を咲かせるフロックス・パニキュラータの仲間です。先に紹介した品種群です。花色や品種も非常に多く、花壇の主役として使われることの多いフロックスです。夏に花を咲かせます。

一方で、春から初夏にかけて咲くフロックスもあります。フロックス・ディバリカータなどのグループで、こちらは草丈が30〜40センチほどの自然な雰囲気の植物です。淡いブルーや白などの優しい色合いの花を咲かせ、ナチュラルな植栽によく馴染みます。同じフロックスでも夏咲きのフロックスとはかなり違った印象です。

さらによく知られているのが芝桜(シバザクラ)です。芝桜はフロックス・スブラータという種類で、地面を這うように広がる低い植物です。フロックスという同じ属の仲間でも、姿や性質が大きく異なります。

16. ゲウム 春から初夏に咲く明るい花の宿根草

ゲウム(ダイコンソウ)は春から初夏にかけて庭に軽やかな彩りを添えてくれる宿根草です。細い茎の先に小さな花を咲かせ、風に揺れる姿がとても自然で柔らかな雰囲気があります。花壇の中では強く主張するタイプではありませんが、他の植物とよく調和し、庭の景色をやさしく整えてくれる植物だと思います。

花の色はオレンジや赤、黄色、アプリコットなど暖かみのある色合いが多く、品種によって印象が変わります。明るい色の花がふわりと浮かぶように咲くので、春から初夏の庭に軽やかなアクセントをつくってくれます。花の大きさや花びらの重なり方なども品種によって違いがあり、見比べてみるのもなかなか楽しい植物です。

和名の「ダイコンソウ」という名前は、根元の葉の形が大根の葉に少し似ていることから付けられたと言われています。ただし名前に「大根」とついていますが、実際には大根の仲間ではありません。大根はアブラナ科の植物ですが、ゲウムはバラ科に属する全く別の植物です。

我が家で最初にこの花を植えた時、これが「ダイコンソウ」という和名を持つことを知りませんでした。ある時、お花好きのご近所さんが庭を見て「ダイコンソウを植えたんだね」と声をかけてくださったのですが、その時「ダイコンソウ?野菜の苗は植えていないけど…」としばらく意味が分からず、少しの間、頭の中で疑問符がぐるぐる回っていました。後からゲウムの和名がダイコンソウと知って、「ああ、この花のことだったのか」とようやく話がつながった、というちょっとした思い出があります。

寒さには強く、寒冷地での越冬成績は良好です。環境が合えば毎年安定して芽を出してきます。素朴な雰囲気の花や株姿は、周囲の植物を引き立てながら自然な彩りを添えてくれる、そんな使いやすい宿根草のひとつだと思います。

17. エリンジューム 青い機械的な雰囲気が個性的な宿根草

エリンジュームは個性的な姿が印象的な宿根草です。青みを帯びた金属のような質感の花とトゲのあるような独特の形が特徴で、花壇の中でも一目でそれと分かる存在感があります。庭の中では少しドライでシャープな雰囲気をつくる植物で、やわらかな宿根草の花の中にこうした質感の違う植物が入ると、庭の表情がぐっと引き締まるように感じます。

花色はシルバーがかった青や青紫で、まるで金属細工のような不思議な質感があります。花は夏に咲き、乾いたような雰囲気の花姿は、ナチュラルやドライガーデンのような植栽にも合うと思います。切花としても使えますし、乾燥させてドライフラワーとして楽しむこともできる植物です。

株姿も少し変わっていて、葉にはややトゲのような鋭さがあり、触ると少し硬い質感があります。ギザギザ、トゲトゲしていますが、触っても刺さるとか痛みはありません。草丈は品種によって違いますが、花穂が立ち上がるとしっかり存在感が出てきます。

寒さには強く寒冷地でも成績良好です。乾いた環境を好むと言われていますが、余程過湿にしない限りはそれほど手のかかる植物ではないように思います。

この植物には一つ気になる特徴があり、花に独特の匂いがあることです。人によっては臭いと感じると思います。あまり気にならないこともありますが、株の近くで草むしりをしていたり、株に触れたりすると、その匂いを感じることがあります。とは言え、これを差し引いても、この独特の姿や質感は庭の中でなかなか他の植物にはない魅力があるように思います。

18. タリクトラム 風に揺れる軽やかな花の高性の宿根草

タリクトラムは細い茎の先にふんわりと花を咲かせるとても繊細な印象の宿根草です。初夏から夏にかけて、小さな花が霧のように広がる姿はとても軽やかで、庭の中では空気のように景色を柔らかくしてくれる上品さも感じる植物だと思います。

花の色は淡い紫や白、クリーム色などがあり、花びらというよりは雄しべがふわっと広がるような独特の花姿をしています。太めの主軸からたくさんの枝が分かれて広がり、その先に細かな花がたくさん咲くためボリュームがあります。デルフィニウムやバラの近くに植えると、その対比でより美しく見えるように思います。

タリクトラムは品種や環境にもよりますが、条件が良いと大人の背丈を超え、2メートル近くまで伸びることもあります。春に芽を出してから1シーズンでそこまで成長するので、庭に植えているとその勢いに少し驚かされることもあります。ただし茎は細く、葉も細かいものが涼しげにつくので圧迫感がなく、他の植物と競合するような存在にはなりません。むしろ自然と高さが立ち上がるので、庭の縦方向の空間のレイヤーを作ってくれるような気がします。

この植物を見ていると「どこかで見たことがある」と感じる人もいるかもしれません。北海道では、これによく似た植物が道端や空き地などに生えているのを見かけることがあります。これは同じタリクトラムの野生種、カラマツソウの仲間です。園芸で植えられるタリクトラムもこのカラマツソウの仲間や近縁で、基本的には同じ属の植物です。

野生のカラマツソウは素朴な姿ですが、自然の中で見かける野草と庭で育てる園芸植物が同じ仲間だと知ると、少し親しみが沸く気もします。

19. ベロニカ 青い花穂が爽やかな初夏の宿根草

ベロニカは宿根草の中でもとても種類の多い植物で、園芸店で見かけるものだけでも姿や性質がかなり違います。細長い花穂をすっと立ち上げるもの、枝分かれして小さな花をたくさん咲かせるもの、さらには地面を這うように広がるものまであり、同じベロニカとは思えないほどバリエーションが豊富です。庭づくりをしていると、「これもベロニカだったのか」と後から知ることもあり、調べれば調べるほど奥の深い植物だと感じます。

園芸でよく見かけるのは、穂状の花を立ち上げるタイプです。いわゆるスピカータ系やロンギフォリア系と呼ばれるグループで、青や紫の花穂がすっと立ち上がり、宿根草花壇の中で美しい縦のラインを作ってくれます。草丈は30〜80cmほどのものが多く、初夏から夏にかけて咲くため、サルビアやゲラニウムなどともよく合います。整った姿で咲くので、ナチュラルガーデンにもボーダー花壇にも取り入れやすい植物だと思います。

一方で、ベロニカには少し雰囲気の違うタイプもあります。枝分かれした茎の先に小さな青い花をたくさん咲かせるタイプで、穂状のベロニカとはまた違った軽やかな印象になります。花の形はどこか見覚えがあるように感じるのですが、それもそのはずで、春に道端などでよく見かけるオオイヌノフグリも同じベロニカ属の植物です。庭で育てるベロニカと、身近な野草(雑草)が同じ仲間だと知ると、植物の世界のつながりの面白さを感じます。

地面を這うように広がるタイプのこうした種類はグランドカバーとして使われることも多く、花壇の縁取りにもよく合います。ベロニカという一つの名前の中に、これほど多様な姿の植物が含まれているのは少し不思議な感じもしますが、それだけ大きなグループの植物なのだと思います。

日本ではベロニカの仲間を「トラノオ」と呼ぶこともあります。細長い花穂が虎の尾のように見えることから付けられた名前で、ヤマトラノオやルリトラノオといった山野草も同じ仲間です。園芸のベロニカの花穂を眺めていると、なるほど確かに虎の尾のようにも見えると感じることがあります。

こうして見ていくと、ベロニカは単に「青い穂の花」というだけではなく、形も大きさもさまざまなタイプを持つ、とても幅の広い植物のグループです。初夏の庭に爽やかな青や紫の花を添えてくれる存在でありながら、よく観察してみると野草とのつながりや植物の多様性まで感じさせてくれる、なかなか興味深い宿根草だと思います。

20. トロリウス 寒冷地に似合う黄色やオレンジの宿根草

トロリウス・ゴールデンクィーン

トロリウス・チェダー

トロリウスは丸くバランスの取れた独特の花の形が特徴で、英語名の「グローブフラワー(球の花)」という名前も、この球状の花姿から付けられています。鮮やかな黄色やオレンジの花が初夏の庭でふわりと浮かぶように咲き、少し野草のような素朴さもありながら、どこか品のある雰囲気を持った植物です。

トロリウスはヨーロッパやアジアの冷涼な地域の草原や湿地に自生する植物で、日本にもキンバイソウなど同じ仲間の植物が自生しています。そのため、寒冷地の庭では比較的よく育ち、越冬も安定している印象があります。むしろ暑さの方が苦手で、暖かい地域では夏越しが難しいこともあるようです。そういう意味では、北海道のような涼しい気候でこそ本来の姿を見せてくれる植物なのかもしれません。

草丈は品種によって異なりますが、おおむね40〜70cmほどになり、初夏にかけて花を咲かせます。花の形も種類によって少しずつ違い、丸いボールのように閉じ気味のものから、花弁が開いてやや星形に見えるものまであります。黄色からオレンジまで色の幅もあり、同じトロリウスでも雰囲気が変わるのも面白いところです。

葉は深く切れ込みの入った形で、少し野草のような柔らかな雰囲気があります。派手さはありませんが、花が咲いていない時期でも自然な感じで花壇になじみます。湿り気のある場所を好む植物なので、乾燥しやすい場所よりも、やや水持ちの良い場所の方がよく育つように思います。

初夏の庭は、植物によってはまだ勢いが出きらない時期でもありますが、その頃にトロリウスの丸い花がぽんぽんと咲き始めると、庭が少し明るくなったように感じます。派手な主役というよりは、宿根草の花壇の中でさりげなく存在感を出してくれる、そんな北国の庭らしい植物の一つだと思います。

季節ごとに咲く宿根草の流れ

宿根草の庭の面白さの一つは、季節ごとに主役が入れ替わっていくことです。春から秋まで、それぞれの時期に咲く植物をうまく組み合わせることで、長い期間楽しめる庭になります。ここでは、このページで紹介した宿根草を、咲く時期の流れで簡単に整理してみます。

まず春の庭を彩るのは、雪解けの頃から咲き始める植物たちです。クリスマスローズやプルモナリアは、まだ庭が目覚め始めたばかりの時期に花を咲かせ、北国の春の訪れを感じさせてくれます。続いてオダマキやアジュガなどが咲き始め、庭が少しずつ色づいていきます。

初夏になると、宿根草の庭は一気に華やかになります。ゲラニウム、ベロニカ、トロリウス、カンパニュラ、アルケミラモリスなどが次々と花を咲かせ、花壇に高さや色の変化が生まれます。デルフィニウムのように背丈が高くなる植物が加わると、庭の景色にも立体感が出てきます。

夏になると、エキナセアや宿根フロックスなどが庭の主役になります。特にエキナセアは花期が長く、夏の花が少し落ち着く時期にも庭を明るくしてくれる頼もしい存在です。アスチルベなどの植物も、この時期の庭の雰囲気をやわらかく整えてくれます。

そして秋になると、宿根アスターが庭を彩ります。夏の花が終わり始めた頃に咲き始め、秋の庭を長く楽しませてくれる植物です。このように季節ごとに咲く植物を組み合わせることで、宿根草の庭は一年の中でさまざまな表情を見せてくれます。

寒冷地で宿根草を育てるときのポイント

寒冷地の庭では、植物の選び方や植え場所によって越冬のしやすさが変わることがあります。私の住む道東地域は冬の寒さが厳しく、雪もそれほど多くないため、場所によっては雪に守られない状態で冬を越すこともあります。そのため、寒さに強い宿根草を選ぶことがとても大切になります。

また、水はけの良い場所に植えることも重要です。冬の間に土が凍ったり解けたりを繰り返すと、株が傷むことがあります。排水の良い場所に植えるだけでも、越冬の成功率はかなり変わります。

寒冷地では、春の芽出しが遅い植物も少なくありません。エキナセアなどは、他の宿根草がすでに葉を広げている頃になってからようやく芽が出てくることもあります。最初のうちは「消えてしまったのでは」と不安になりますが、気長に待っているとしっかり芽を出してくることが多い植物です。

雪の量が少ない地域では、冬前に株元を軽く堆肥や腐葉土でマルチングしておくと安心な場合もあります。とはいえ、このページで紹介している植物は、基本的には寒冷地でも比較的よく越冬してくれるものを中心に選んでいます。環境や庭の条件によって多少の違いはありますが、寒冷地でも宿根草の庭は十分楽しめると思います。

宿根草の苗を購入できるおすすめショップ

宿根草の苗は園芸店やホームセンターでも購入できますが、最近はオンラインショップでも多くの種類を取り扱っています。特に宿根草は品種数が多いため、実店舗ではなかなか見つからないものでも、ネットショップなら見つかることもあります。私も気になる品種を探すときには、オンラインショップをのぞいてみることがよくあります。

ここでは、宿根草の苗を探すときに見てみることの多いショップをいくつか紹介しておきます。私自身もよく利用させてもらっています。

おぎはら植物園

宿根草好きの方にはよく知られている専門店で、品種のラインナップがとても豊富です。ナチュラルガーデン向きの宿根草が多く、珍しい品種を探しているときにも見ていて楽しいショップです。私もよくこちらで苗を購入していますが、植物ごとの解説もとても丁寧に書かれているので、苗を選びながら植物の性質を勉強することもできます。

大森ガーデン


北海道・十勝の大樹町にあるガーデンと苗の販売を行っているショップです。寒冷地での栽培を前提にした植物が多く扱われているので、北海道で庭づくりをしている方には特に参考になるお店だと思います。

https://omorigarden.shop-pro.jp

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