パンジー、ビオラの種まきから1週間。発芽が始まりました。
ガーデニングを始めて今年で10年目。花の種まきを始めて7年?8年?多分それくらいかな。飽き性の自分にとってガーデニング、園芸という一つの趣味が続いているのは不思議なことで、これは色々な環境に恵まれてきたことと、花を通じた人との出会いがあったことがあると思う。感謝。
昔、学生の頃の入学式だったか、卒業式の時だったかに、学長先生が1000時間だったか、一万時間の法則だったかの話をしていた。毎日コツコツと同じことや一つの領域に打ち込み続けると、その道のプロフェッショナルになれるというような内容だった。仕事は別と考えたとしても、当時も今も飽きっぽくて根気もない自分には遠い話だと思っていたし、今もそう思っているけど、園芸についてはよく続いてきたなあと少しだけ感慨深いものがある。プロには到底なれないけど、素人的に楽しいまとまった時間を過ごせて来たように思う。
今年もすでに1月が終ろうとしてるけど元旦に見つけた広告記事を。
「百年の孤独」を生きる
昨年、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が邦訳刊行後50年を経て文庫化され、社会現象とも呼べる大ベストセラーになった。
これは、ある一族をめぐる百年にわたる物語だ。彼らは、結婚、出産、死別といった家族の営みを繰り返し、魔術、奇妙な病、幽霊の出現、政変、殺人、天災などの出来事に翻弄されていく。
タイトルに反して、本書からは「孤独」を感じない。たくさんの登場人物が現れ、次々と奇想天外な事件が起きる物語は、賑やかなほどだ。本に夢中になっているうちに、ふと目を上げて気づく。
読書という行為に没頭している自分こそが、いま「孤独」ではないか。
スマホやパソコンを通して、いつでも誰かとつながれる時代にあって、本がくれる孤独な時間は、貴重だ。ひとりでいる時間だけ、人は自分自身に向き合うことができる。他者を尊重する力を養うことができる。そして「誰もがひとりで生まれ、ひとりで死んでいく」という峻厳な真実を見つめることができる。
私たちの人生はいわば「百年の孤独」。もしかしたら本書の題名こそが、令和の日本人の心に響いたいちばんの理由なのかもしれない。
新しい年が明けた。「『百年の孤独』が文庫化されると世界が滅びる」などと噂されていたが、杞憂に終わった。世界はこれからも続いていく。そして、「百年の孤独」を生きる私たちの傍には、本がある。
新潮社は今年も、皆さまの「孤独」に伴奏する作品をお届けします。