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Roccia Bruna Puglia Rosso Appassimento ロッチァ・ブルナ・プーリア・ロッソ・アパッシメント
スーパー「トライアル」で購入したワイン。スーパー「トライアル」は商品が税込価格なのがとてもすっきりしていて、特に消費税が上がってからはこの恩恵をより強く感じている。
ワインの品揃えも基本的なところは一通り揃っていて、それでいて他のスーパーやネット価格よりも安いものが多い。一時期どハマりしたチリの安くてそこそこ美味しいワイン「SANTA」は、おそらく我が家で一番本数を飲んでいると思うのだけど、ずーっと特価の399円が維持されている。
なので「今日は何も考えずYoutubeとかプライムビデオを見ながら飲むぞ」という時には「SANTA」のシャルドネがあるととても幸せな週末になる。サンタのシャルドネは399円とは思えぬ香りと果実感、人工的ではあるけれども樽のニュアンスも感じられてよい。
安くて美味しいワインを探し求めているけど、さすがに500円を下回るワインでは飲むにはつらすぎる毒ワインの確率が急上昇するので敬遠しがち。でもトライアルで買うサンタやアルパカはなかなか優秀。一時期、トライアルのワイン売り場でサンタのシャルドネの在庫が頻繁に「ない」あるいは「少ない」時があって、おそらく自分以外にもサンタの優秀さに気づいている人が何人かいるのだろうと、薄い仲間意識を感じたこともあった。今は多めに発注してくれているのか、サンタ(シャルドネ)の在庫は店頭にたっぷりめにあるように見える。
「SANTA」のことばかり書いてしまったけれど、今回記録するワインは「ロッカ・ブルナ・プーリア・ロッソ・アパッシメント」だ。こちらのワインはトライアルで1200円くらいだった。サンタ3本分の値段である!イタリアワインのラベルデザインの中に、このワインのラベルのようなものが時々みられるものがあって、こう、、なんと表現したらよいのか、おそらくきちんとしたデザインの名前があると思うのだけど、花がクシャクシャっと渦を巻くような雰囲気のペーズリーみたいなやつ。このデザインを採択しているイタリアワインは美味しいものが多い、という自分の中の非科学的法則に導かれ、その法則を裏切られないよう信じて購入した。
ワインの名前についている「アパッシメント」は、ブドウの乾燥の意味。収穫したブドウを陰干しして水分を飛ばし、旨味と甘味を凝縮させるワイン作りの技法らしい。このワインでは収穫後の陰干しではなく、収穫を遅らせる「レイト・ハーベスト」の方法を取っており、ブドウの房が木についた状態で自然に乾燥させている。
ワインの色は濃いパープルで、香りは干しブドウやレーズンのような甘い香り。ワインを口に含むとふわっとした甘味を感じて、ブルーベリーとかカシスっぽい果物の酸味と風味があった。どっしりと飲みごたえもありながら後味はさっぱりとした飲みやすさもあり、アルコール度数14.5%の強さはあまり感じないワインだった。けっこう美味しくグイグイと飲めてしまうので、気がつくと酩酊してしまっている系。
このワインの造り手である「ボッター社」は1928年、イタリアのヴェネト州に設立。当初は家族経営のワイナリーだったようだけど次第に会社の規模を拡大させ、現在はイタリア半島の北から南までの栽培農家と契約し、大量のブドウを買い付け、各地にあるワイナリーでオリジナルのワインを作っている。ボッター社では「安くて高品質の美味しいワインを作る」というのがコンセプトの一つとなっているらしく、リーズナブルだけど満足感の高いワインを世界中に送り出しているようだ。イタリア北部のヴェネト州にある会社がイタリア南部のプーリア州でワインを作っているのだから大きな会社なのだろう(単純過ぎ)
- 生産者:Botter ボッター
- イタリア プーリア州
- 品種:ネグロアマーロ60%、メルロー25%、プリミティーヴォ15%
- ヴィンテージ:2020
- アルコール:14.5%
Rocca Bruna Brindisi Riserva ロッカ・ブルナ・ブリンディジ・リゼルヴァ
このワインもボッター社が製造している。「プーリア・ロッソ・アパッシメント」よりも数百円安く購入することができる。
「ブリンディジ」はプーリア州のさらに南、サレント半島の付け根に位置している地域。学生時代に読んだ塩野七生の「ローマ人の物語」では、古代ローマ時代に有名なアッピア街道がローマからブリンディジまで続いており、この地域の重要性が繰り返し説明されていた。ブリンディジの港を出発点として海洋航路が各地に伸びており、ローマは地中海の覇権を維持していた。
ネグロアマーロとマルヴァージア・ネーラはプーリア州の中でも特にサレント半島で栽培されている黒ブドウ品種で、しばしばブレンドされて用いられているらしい。
- 生産者:Botter ボッター
- イタリア プーリア州
- 品種:ネグロアマーロ80%、マルヴァージア・ネーラ10%、サンジョヴェーゼ10%
- ヴィンテージ:2018
- アルコール:13.5%
このワインからは樽に由来するチョコレートやカカオの香りが感じられ、渋味は柔らかい印象だけれど、どっしりと飲みごたえのある味わいだった。先ほどのワインよりもアルコール度数は1%低いけど、こっちの方がよりアルコールを強く感じた。