オット・ボッチ・ファリエロ

Otto Botti Faliero オット・ボッチ・ファリエロ

セイコーマート(セコマ)のワインは安い。500〜1000円の間がメインの価格帯で、1000円を越えるものは店頭に数えるほどしかないと思う。なので毎年11月のボージョーレー・ヌーボーでは、セイコーマートでもスタンダードクラスが2000円前後の価格で販売されるので、普段の安いワインとの差を余計に感じて、ヌーボーがとても高級なワインであるかのような錯覚をしてしまう(実際セコマのボージョレー・ヌーボーは美味しい)。

そんなセイコーマートのワインの中でも比較的好んでよく飲んでいるのが「オット・ボッチ・ファリエロ」というイタリアの赤ワイン。価格は定価730円(税抜き)でセールも時々しているので、過去には600円台で買えたこともあった。

ピノ・ネーロ・ラ・クーポラ

このワインの造り手であるデッツァーニ社はイタリアのピエモンテ州で世界遺産にもなっているモンフェッラート地方の人口1400人ほどの小さな町コッコナートにある。設立は1934年で当初は家族経営の小さなワイナリーだったが、現在では1000ヘクタールものブドウ畑と数百の農家を合わせた巨大なワインメーカー企業となっている。

オット・ボッチ・ファリエロ

ワイン名の”Otto”はイタリア語で数字の8を意味し、”Botti”は樽の意のようで「8つの樽を用いた」つまり8つのブドウ品種をブレンドして作ったワインということになる。”Faliero”は何かの固有名詞にちなんでいるのか、それが何なのかはよく分からない。

セコマのホームページを見ると、ヴィンテージによって8つのブドウ品種のブレンド比率が微妙に異なっていて、おもしろい。一番比率の大きいドルチェットでは、2019年72%、2018年77%、2017年60%となっており、結構違いがある。2番目に比率の大きいバルベーラが2019年15%、2018年13%、2017年21%でドルチェットの比率に応じて上下している。これ以外のブドウ品種は1~5%程度の差となっているのだけど、この微妙なさじ加減具合はなかなか職人芸的なものを感じさせる。これら8種のブドウをブレンドした後は15ヶ月以上オーク樽で熟成となっている。

ドルチェットもバルベーラもピエモンテのワインを代表する主力のブドウ品種。ドルチェットは比較的早熟な黒ブドウでしっかりとした果実味があり、酸は少なくタンニンは多め。バルベーラは親しみやすいストレートな果実味で酸はしっかりとしているようなので、それぞれの品種の特徴をうまく合わせてバランスの良い味わいのワインを作っているのだと思われる。

  • 生産者:Dezzani デッツァーニ
  • イタリア ピエモンテ州
  • 品種:ドルチェット77%、バルベーラ13%、ボナルダ2%、メルロー2%、カベルネ・ソーヴィニヨン2%、フレイザ2%、アルバロッサ1%、シラー1%
  • ヴィンテージ:2018
  • アルコール:13.5%
オット・ボッチ・ファリエロ

ワインはパープルが強めの赤。香りはロッテのブドウガムのような芳香と樽のバニラやほんのりチョコレートが感じられる。ちょっと皮革っぽさも感じる。味わいは尖りや渋味はそれほどなく、心地よいしなやかな感じで丁度よい。軽くもないけど、重たすぎることもないような柔らかい印象。後味に若干ゴムっぽいようなものも感じなくはないけど、バランスが良くてリーズナブルに気軽に飲めていいワイン。

セコマではないところで、よく似たワインを見つけた。

スーパー トライアルで発見!

8種のブドウをブレンドしていて、メーカーも同じデッツァーニ社のようだ。セコマよりも価格は倍以上するんだけど、こちらは上位クラスのものか、それともほとんど同じものなんだろうか。セコマ独自の輸入ルートで格安なんだとしたらすごいのだけど!

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