Pinot Nero La Cupola ピノ・ネーロ・ラ・クーポラ
イタリア北部ピエモンテ州のワイン。ピエモンテ州はシチリアに次ぐ大きな面積を持つ州で、北側、西側にはアルプス山脈、南側をリグーリア・アペニン山脈と三方向を山々に囲まれている。2006年冬季オリンピックが開催されたトリノもある。
2014年には「ピエモンテの葡萄畑の景観:ランゲ・ロエロ・モンフェッラート(それぞれブドウ栽培が盛んな産地)」が世界文化遺産に登録されている。Googleでこれらの地域の画像検索をすると素晴らしい景観をみることができる。これらの地域は温帯、亜寒帯の大陸性気候で、冬は寒くて湿気が多いため深い霧が出るという。一方で夏は暑くて湿気もあり、しばしば嵐に見舞われるのだとか。
このワインを購入するまでピノノワールがイタリアで「ピノ・ネーロ」と呼ばれていることを知らなかった。そもそもイタリアでピノノワールを作っているイメージがなかったので、ワインショップで聞いてみた時に「ピノネロですね」と教えてもらった。
今回の「テヌーテ・ネイラーノ」はピエモンテ州モンフェッラート地方(アスティ、アレッサンドリア両県にまたがる)にあるスペローネ家の家族経営のワイナリー。人口1000人程度の町モンバルッツォのカサロットという地区に20haのブドウ園を所有している。スペローネ家では1911年からワイン作りを開始し、「ネイラーノ」の商標での販売は1982年から。ワインは自社所有する畑から収穫したブドウだけではなく、近隣の農家から購入したものも組み合わせて作られており、7割をワインとスパークリング、3割をベルモットの醸造に当てているのだとか。
ダークチェリー色のワインは華やかな香りがあり、あんずや梅の要素のほかチョコっぽさも感じられた。味わいは酸味はあるものの角が立つ感じではなく自然で、渋味もなめらかでさっぱりと飲むことができた。梅っぽい香りがとても印象的で、2日目になるとさらにその香りが際立って梅酒感があった。
- 生産者:Tenute Neirano テヌーテ・ネイラーノ
- イタリア ピエモンテ
- 品種:ピノ・ネーロ(ピノノワール)
- ヴィンテージ:2015
- アルコール:13%
「ラ・クーポラ」という名前はドーム状になった教会の塔を意味しているのだとか。このラベルに描かれている教会は一体どこなのだろう、実在するのだろうかと色々と調べてみると、おそらくモンバルッツォの隣村フォンタニーレにある「サン・ジョバンニ・バティスタ教会(Chisa di San Giovanni Battista)」だと思われる。20世紀初めに建設された教会のようだけど写真からは外内観ともにすばらしい。
ワイナリーがあるアスティ県は甘口の香り高いスパークリングワイン「アスティ(アスティ・スプマンテ)」が有名な産地でもある。テヌーテ・ネイラーノもアスティを生産しているようなので一度機会があれば飲んでみたいと思う。