紫竹ガーデンに行ってきた

7月下旬の4連休に帯広方面に行ってきた。コロナの時代になって以降初の少しの遠出となった。帯広には姉が住んでいるので、家で姉のこどもたちと一緒にゲームをしたり映画を見て過ごしたほかは、ホームセンターの園芸コーナーめぐりやバラ農家の大野農園(音更町)、そしてずーっと行きたいと思っていた「紫竹ガーデン」に行くことができた。

紫竹ガーデンは帯広市の南の美栄町という地区にあり、帯広市内から車で2、30分かかったので、途中迷ってしまったのではないかと不安になった。案内標識が道路の要所にあるのでそれを手がかりに行くとたどり着くことができるけど、ちょっと遠く感じた。それでも行くまでの帯広の農村地域の風景がとてもきれいで、ドライブとしても良いルートだった。

紫竹ガーデン受付前

ガーデン駐車場に車を止め入場口の方に歩いて行くと、大きく素敵な建物が立っていて、その前には大きなコンテナの寄せ植えや花壇があり賑やかな様子だった。苗の販売もあり、あとで紹介するエキナセアの掘り出し物をゲットすることができた。

ガーデンの入場料が1000円だったので一瞬衝撃を受けたのだけど、受付からガーデンショップの中が見えて、たくさんのタネや球根が所狭しと販売されているのが分かり、この時点でワクワク興奮する気持ちが高まった。

入場時にもらったタネ

入場時にはアラカルト(ワイルドフラワーガーデン)になった花のタネをもらった。紫竹ガーデンをささやかに再現できるような品種構成になっているらしい。訪れたのが夏だったこともあり、受付の方からは「来年の春にまいてください」と教えてもらった。タネの形をみるに、パンジーやナデシコなどが入っているのかなと思う。

テーブルが花壇となっている「テーブルガーデン」の一角。車椅子などを利用している方も間近で花を鑑賞したり、香りを楽しめるようにと考えられたものらしい。見た目がとても斬新。

夕方に訪れ、その後にも寄らなくてはならないところがあったので、あまりゆっくりとはできなかったけれど、時間があればこういうところで飲み物でもいただきながらぼーっとしたい。ここの成形花壇は衣替えをした直後だったのかさっぱりとした雰囲気。ダリアの株が大きくなっていて、これからまた賑やかになりそうだ。

見学した季節が7月下旬ということで、春の花が終わり夏の花へのバトンタッチに差し掛かる時期だったので、ガーデンに咲いている花の数はやや少なめではあった。それでも花の植え方や見せ方などは自然でありながらも面白い部分もとても多く、庭づくりのアイディアをたくさんもらってくることができた。とにかく草花がどれも生き生きとしていて、その場所、その場所に馴染んでいるような印象を感じた。ガーデナーが「この花はここに植えましたよー」という感じではなく(我が家のような)、草花それぞれが自然なまま好きなところで好きなように咲いているという感じ。

スイートピーが丸い円柱の支柱に向けてからまっていた。初めてみる仕立て方で、完成した時にはスイートピーがこんもりと咲くのかもしれない。見てみたかった。

ロックガーデン。大きなコニファーと岩とグラス類と宿根草が共存している空間。とても爽やかで涼しい空間を作っていた。ガーデン内のほかの花壇と雰囲気が異なっていて、花色のカラフルさに目が慣れてしまった時にここに来ると、ちょうどいい休息になるかもしれない。

この規模のガーデン(1万8000坪)になると除草なんかも不可能なので、それこそ自然に任せている状態になっているのだけど、雑草と草花がうまく共存しているように見えた。その季節に応じた草花が自然に成長して咲いているという感じ。殺菌剤や殺虫剤などの農薬散布も数年前からしていないとのことで、よくよく見ると病気やカビが付着しているものや虫がついている花もあるにはあったけど、これはこれで本来の自然の姿であり、その中での植物のひたむきさや美しさを楽しめるということも伝わってきた。もっと家から近いところにあればシーズン券(1500円)を買って頻繁に見学したいと思った。

4月クロッカス、チオノドクサ、プリムラ、ミズバショウ、セツブンソウ、スノードロップ
5月チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、クリスマスローズ、クラブアップル、アイスランドポピー
6月スズラン、牡丹、芍薬、カマシア、サクラソウ、オダマキ、プルモナリア、ライラック、ポピー
7月アイリス、オリエンタルポピー、シャボンソウ、バラ、クレマチス、アルケミラモリス、デルフィニウム
8月バラ、クレマチス、ヘメロカリス、ヤナギラン、ダリア、宿根クロッカス、モナルダ、コスモス
9月タリクトラム、コルチカム、リオンダリア、アナベル、カクトラノオ、クレマチス、ミナズキ
10月ユーゼンギク、シュウメイギク、シオン、ミケルマスデージー、葉牡丹、紅葉
庭園内で教えてもらったガーデンカレンダー

ガーデンショップ「オランジェリー」にはたくさんの草花の球根やタネが売られていた。ホームセンターでは手に入れることができないものもあった。海外メーカーのものもあったけど、サカタやタキイのものが中心。ただ、販売価格がちょっと高めに設定してある。ダリアやグラジオラスもいろいろな種類が大量に売られていて、すごく欲しかったけど季節的には植え時じゃないので断念した。ほかにもオシャレなコーヒーカップやカトラリー、絵葉書や文房具もたくさん販売されていた。ガーデンもみごたえがあるけど、ショップで売られている商品も普段あまり見ないものが多いので、じっくりと楽しむことができる。ちょうど今回行った時にはオーナーの紫竹昭葉さんがいらっしゃり、ほかのお客さんのお子さんと楽しげにお話をされていた。トレードマークの素敵な花柄の帽子姿だったので、遠くからでもすぐに気がつくオーラがあった。その後、こちらの方にも来て、帰り際に「またいつでも来てくださいね」と声をかけてくださった。ありがとうございます。

ガーデンの入り口で元気なエキナセアが売られていたので購入した。

追記:訃報(2021年5月4日)

紫竹ガーデンのオーナーで「紫竹おばあちゃん」の愛称で親しまれた紫竹昭葉さんが94歳でお亡くなりになったそうです。

紫竹昭葉さんは1927年に帯広市で生まれ、夫さんを亡くされたあとの63歳のころからガーデン作りを開始されたとのこと。紫竹ガーデンがオープンしたのは1992年で、現在は年間10万人以上が訪れる帯広市の観光名所となっています。

お倒れになった4日午前はご自宅の庭で日課の作業をしていたところだったようで、左手にコリアンダーのタネ、右手にはスズメにあげるパンくずを握っていたとのことです。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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