2017.5.15
近所のホームセンターに行くとバラ「ピース」の新苗が販売されていた。ゴールデンウィークにバラを4つ植えたばかりで、ちゃんと育てられるかも分からないまま、新たに買うのもどうなのかと店先で悩んだけれど、きっと買わないと後悔するに違いないと思い買ってきた。
バラ初心者にもかかわらず1ヶ月経たずに5株になってしまった。NHK「趣味の園芸」が50周年記念で盛大にバラ特集をしていたのにも刺激された!ゲストで出演されていた俳優の平泉成さんは、ご自宅に30種50本ものバラを植えているのだとか!
ピースという名前に込められた思い
ピースはフランスの園芸家フランシス・メイアン(F. Mailand)によって1939年に作出された。
メイアン氏は当時、ドイツのフランス侵攻を予見し、準備していた新品種のバラを保護するためにイタリア、トルコ、ドイツの友人に挿し木苗を送った。そしてアメリカの友人には、ドイツが侵略する前の最後に利用可能な飛行機便で送り、大戦中、種苗会社のコナード・パイル社によって大切に保存、繁殖が進められた。
各国に送られた挿し木は栽培家の間で上手く連絡をとることが出来なかったため、品種名がそれぞれに異なっていた。
フランスではメイアン氏の亡くなった母親、クローディア(アントワーヌ・メイアンの妻)に敬意を表して、「マダム・A・メイアン」と名付けており、これがピースの本来の正式名称となっている。イタリアでは「ジョイア(イタリア語で「喜び」)」と呼ばれ、ドイツでは「グロリア・ディー(ドイツ語で「神の栄光」)」、アメリカ、スウェーデン、ノルウェーでは戦争のない世界を願ってピースと呼ばれていた。
その後、ピースという名前で知られるようになり、1945年4月29日に先のコナード・パイル社が正式に「ピース」の商品名で発表した。この日はベルリンが陥落したまさにその日であり(ヒトラーは翌4月30日に死去)、ヨーロッパでの第2次世界大戦の転換点であった。この年の後半にサンフランシスコで開催された国連の最初の会議で、ピースが各国の代表団に贈られた。
その後、1976年イギリスのオックスフォードで開催された「世界バラ会議」において、ピースの美しさと強健性が高く評価され、初代の「殿堂入りバラ」に選出された。
と、こんな歴史のあるバラが我が家にやってきた。
品種名 | ピース(Peace) |
系統 | ハイブリッド・ティー(HT) |
作出国 | フランス |
作出者 | フランシス・メイアン(Francis Mailland) |
発表年 | 1945年 コナード・パイル社 |
花形 | 半剣弁高芯咲き、大輪 |
開花性 | 四季咲き |
芳香 | 微香だが季節によって強く感じることもある。 |
追記:写真は記事作成後に追加している。その季節、その年によってイエローやピンクの濃淡が異なり、美しい。