今年の6月末に旭川から仕入れてきた苗。個人の園芸店に立ち寄った際に露地で販売されていたものをカゴに入れた。品種名をちゃんと見ずに、青い花が咲くという記憶と印象だけがあり、土砂降りの雨だったこともあってよく見ずに購入してきた。価格は4、500円くらいだったかなあと思う。
家に帰ってきてから品種名が書かれたタグなどが何もないことに気づいて「ああ、またわからなくなってしまった」くらいに思い、庭の適当なところへ定植した。下の写真は記録用に撮ったもの。この時点で見る人が見たら特徴的な葉にピンと来たのかもしれない。
それからしばらくして、この花の存在にはそれほど注意が向かなかったのだけど、時々見た時には、やけに葉がテカテカとツヤがあって輝いているので、葉がきれいだなあと思っていた。
順調に株は成長していて、植えた時に出ていた茎以外にも数本が新たに伸びていた。そして9月に入り、何気なくこの花を見た時、特徴的なつぼみがついていた。
薄青くて、そら豆のような形のつぼみ。宇宙人の顔にも見えたりして「エイリアンっぽい」と思ったりもした。そしてその日の夜、我が家のトイレに置いてある植物カレンダーを見て首を傾げてしまった。もしかして、と思ったりもしたものの、そんなまさかと思い、また様子を見ることにした。一応、家の人にはその可能性があることをそれとなく伝えてはいた。
そして今日、職場の周りをちょっと植物に詳しい人と一緒に歩いていて、きれいな青い花を見つけた。今時期は草花もあまり花が咲いていないので、青い花が遠くからでも目立ち、心地よい風に揺れていた。
近づいてみると、そのまんま上のカレンダーのやつだった。決め手は一緒にいる人が「こんなところにトリカブトが生えているのかー。気をつけないとね。抜いた方がいいかな。」とつぶやいたことだった。職場のすぐ近くに猛毒植物のトリカブトが生えているのも驚きだけど、我が家にあるやつもやっぱりトリカブトじゃん!!となり、しかも勝手に生えてきたんじゃなく、我が家ではわざわざ買って植えたんですよ!ねえ!ただ、少し違うのは我が家で生えているやつの葉っぱは、職場のものよりも光沢があってキレイなのです。
家に帰ると、家の人が同じ今日というタイミングで「やっぱりあれはトリカブトじゃないだろうか。カレンダーを遡って何度も確認した」と言うので、急に心配になってきた。
植えている場所は子どもも通る場所だし、鮮やかな青いつぼみや花はなんとなく触れたくなる雰囲気すら醸し出している。そこで、写真を撮ってグーグルレンズを使ってAIに調査してもらった。結果は言うまでもなく「トリカブト」でした。。。
そうと決まれば、明日はごみ収集の日だし、もう今日中に抜いてしまおうということで、久々の暗闇の中の園芸作業。本体はもちろん、根っこもしっかりと掘り上げて捨てました。抜いた根はカレンダーのイラストの通り、芋状になっていてしっかりと存在感があった。
トリカブトはドクウツギやドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つで、日本には約30種が自生している。
毒成分はジテルペン系アルカロイドのアコニチンで茎、葉、花、根と全てに含まれている。食べると嘔吐、呼吸困難、臓器不全などから死に至ることもある。経皮吸収されるため、素手で触った場合には手洗いが推奨されている(買った時とか植えた時とかすごい触ってたと思うんですが)。
経口摂取すると、数十秒で死亡する即効性があり、致死量はごくわずか1グラム以下。治療法、解毒剤は今のところなしで、目下研究中とのこと。トリカブトの蜜や花粉で作られた蜂蜜にも毒性を含むことがあるため、トリカブトが自生する地域の養蜂家は開花時期を避けているらしい。などなど、少し調べただけでも毒の恐ろしさにゾッとする。植える植物には改めて気をつけよう。
美女なでしこの種まきから成長と開花